きっかけは、3ヶ月ほど前のおじさんの一言だった。
「インターネットをしたいんだ。
でも、パソコンが買えないからなあ。」
このおじさんは父の弟で、とうに60歳を過ぎている。
パラサイトな暮らしをしてきて、いろいろと困ったところがある人だ。
しかし、他人ではないので、その時、なんとなくその願いを切り捨てることはできない気がした。
そして、ある時、このおじさんのささやかな願いを叶えてあげたくなったのだ。
ネットワークの環境を再度確認してみると実家とおじさんの住む家は無線LANの電波が届く距離で、中継機になる無線LANアクセスポイントかルータを用意すればいけそうだった。
まず、親機の無線LANルータに子機になる無線LANルータを中継モードでつないでネットワーク環境を整えてみた。
クライアント端末は、当初、お古のNexus7(2012)を使ってもらおうかと思ったのだが、やってみると電波の掴みが弱い。
そこでヒラメイた。
そうだ、使わなくなったThinkpad X31 が余っているではないか!
X31はPenM1.7GHzでメモリ1GBに増設済み、HDDは80GBある。
この機種は4年前まで、ほぼメインで使っていたのだが、ある日、HDDがクラッシュ。
その後、HDDは入手して換装したものの、ドライバを探して当てていくのが面倒に感じて放置しているうちにWindowsXPはサポート切れとなり、行き場をなくしてゴミとなっていた。
いっそ、Linuxをいれてみようか?
そんな気になったのもXPのサポート切れのおかげだった。
ネットで調べてみると、X31はubuntu12.04まで導入実績が確からしい。
Linuxbeanというディストリビューションならもしかすると14.04も動くかもしれないようだが、情報は少ない。
それならばということで、ubuntuでやってみることにしよう。
そして、結局サポートする必要があるだろうから自分もubuntuをインストールして常用してみようという気になり、ついついOS無しのジャンクPCまで購入してしまった。
振り返ってみると、それがちょうど1ヶ月ほど前のことだった。
考えてみたら、わがままおじさんの願いを叶えてあげるためにどんだけの労力と出費をかけているのだろう。
この1ヵ月でいろいろなことを覚えた。
インストール方法はもちろんだが、コマンドの打ち方やvimの使い方、そして、ライブUSBの作成。
ライブUSBは最初はunetbootinで作っていたのだが、今はブートローダーから起動するやり方を勉強している。
つい3日前には設定を保存できるライブUSBが作れるようになった。
そして、今ではすっかりLinuxが楽しくなっている自分がいる。
こうして振り返ってみると、おじさんを理由にして、自分の興味関心を突き進んでいるだけだった。
なんだ、おじさんの願いを叶えるはずだったのが、いつの間にか自分が一番楽しんでいる。
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